「ううん。もうこの話はやめよう」


彼は重い空気を払しょくしてくれたけど、苦々しい顔が頭から離れなくなった。



それから結城君とは学校でも話すようになった。
雄介君を混ぜて、のことが多いけれど。

ただ、真夜さんが放った『邪魔しないで』という言葉が引っかかって、あまり積極的に自分から話しかけにはいけなかった。

その分、雄介君が私を会話に誘ってくれたから、加わることができてうれしかった。


「チョコちゃん、練習また見にいくの?」

「お前がチョコちゃんって呼ぶな」

「だって、龍平、呼んでるじゃん」


雄介君が結城君の真似をして私のことを『チョコちゃん』と呼ぶと、結城君が怒っている。

それがちょっぴりうれしいのは、私たちの特別な関係を意味しているかのような気がするからだ。
といっても、ただの友達なんだけど。