でもその資料は患者向けに優しく書かれたもので、手術についても触れてある。


「ありがとね、皆」


落ち込む私のために、わざわざ駆けつけてくれたんだ。
そう思ったら、涙が勝手にあふれてきた。


「泣かないの、茜」


結城君のケガがショックで、それに加えてこんなに優しくされて……簡単に涙腺が崩壊した。


「茜、きっと大丈夫だから」


泉はそう慰めてくれたけれど、担架で運ばれたときの光景が目に焼き付いて離れない。


「ここからは女子会。雄介ありがと」

「理佐、悪いわよ」


わざわざ来てくれたのに追い出すなんてひどいと思ったけれど……。


「いいのいいの。一緒にいたから連れてきただけだし」

「うん、気にしないで。またなにかわかったら、連絡するよ」


雄介君はそう言うと、あっさり帰っていった。