水泳は年齢別に目標タイムが設定されていて、級分けされている。
早い方からA級。そして、B、C級。


その試合は、本来彼くらいのレベルの選手は出場しないBC級。

もちろん彼はスイミングのチームメイトと一緒。
遠くから見ていると前とは違いチビッコが多い。

やはり、試合のレベルの差なのだろう。


「ほら、ちゃんとここにいろ」


結城君はその中でもお兄さん的存在らしく、小さな子たちの面倒を見ていた。


私は観客の席取りの列に並んでいた。

雄介君はこの試合より上のA級の試合に出られるから、来ていない。
だから、理佐も来ることはなく、私ひとりだ。


会場が開いてアップが始まると、懸命に結城君の姿を探した。
だけど満員電車のようなスタート台付近は、誰か確認できるような状態ではない。