ちょっと相手、足早すぎない? どんどん近づいてきてるんですけどっ 息を切らして走りながらも、なんでこんな朝早くに人通りのない道を歩いてしまったのかと、心の中で自分を叱りつけていた。 「っっ!」 ついに追いつかれた私は、 後ろから肩をつかまれて いよいよ襲われる!……と思ったのに 「え、」 体をぐっと後ろに抱き寄せられて。 抱き寄せた相手が誰なのか、 顔を見なくてもすぐに分かった。