伊東が御陵衛士を作り新選組から分離した
幹部まで引き抜かれ、まいっていた
〝青空を見ました
最後にお会いした日も青空でしたね〟
(会いてぇ……君菊に、会いてぇ…)
嫁にいって幸せなのに、邪魔する訳にもいかず
ただ、君菊を想い続けた
伊東を斬り
嘗ての仲間と斬り合いをした
年明けの夜
廊下から月を見上げる土方の姿を見つけた
山崎が横に並ぶ
「菊がまだ小さい頃、よぉ二人で毎晩お月見
しました
あの頃は、戦とは無縁で、楽しかった
大阪でまだ花と呼ばれていた頃です」
「帰りたいって言ってたな…あいつ」
「副長……前に話した
最後に殺した人…君菊の母親なんです」
「そうか」
「御所の忍として生きることより
女の幸せを選んだ人でした
あの頃、俺は任務なら人を殺めてもええと
思ってました
任務とはいえ、叔母をやらなければいけなかった…菊から家族を奪ってしまった
それから、人を殺めることをやめました」
一呼吸して、月を見上げた
「菊も忍になり、俺と同じように
任務ならやらなければと…
止めるべきでした…
俺が代わりにやってでも、止めるべきでした
寿が亡くなったとき
罰が当たったんやって
自分が苦しんだことを菊にまでさせて…
副長…
菊が副長を想ってたこと、気づいてましたか?」
「なんとなく期待したこともあったが
よくわからなかったな」
「副長… 敵が陣を張り
戦の準備にはいったようです
俺も戦います」
「おめぇは、戦況の報告に撤しろ
いざって時は、手を借りるかもしれねぇ」
「はい」
幹部まで引き抜かれ、まいっていた
〝青空を見ました
最後にお会いした日も青空でしたね〟
(会いてぇ……君菊に、会いてぇ…)
嫁にいって幸せなのに、邪魔する訳にもいかず
ただ、君菊を想い続けた
伊東を斬り
嘗ての仲間と斬り合いをした
年明けの夜
廊下から月を見上げる土方の姿を見つけた
山崎が横に並ぶ
「菊がまだ小さい頃、よぉ二人で毎晩お月見
しました
あの頃は、戦とは無縁で、楽しかった
大阪でまだ花と呼ばれていた頃です」
「帰りたいって言ってたな…あいつ」
「副長……前に話した
最後に殺した人…君菊の母親なんです」
「そうか」
「御所の忍として生きることより
女の幸せを選んだ人でした
あの頃、俺は任務なら人を殺めてもええと
思ってました
任務とはいえ、叔母をやらなければいけなかった…菊から家族を奪ってしまった
それから、人を殺めることをやめました」
一呼吸して、月を見上げた
「菊も忍になり、俺と同じように
任務ならやらなければと…
止めるべきでした…
俺が代わりにやってでも、止めるべきでした
寿が亡くなったとき
罰が当たったんやって
自分が苦しんだことを菊にまでさせて…
副長…
菊が副長を想ってたこと、気づいてましたか?」
「なんとなく期待したこともあったが
よくわからなかったな」
「副長… 敵が陣を張り
戦の準備にはいったようです
俺も戦います」
「おめぇは、戦況の報告に撤しろ
いざって時は、手を借りるかもしれねぇ」
「はい」