「何考えてるの?」

「何でもないよ。でも雪音のことを覚えてなくてごめんね。このことは忘れて。」




なんて身勝手なことを言ってるのだろうか。
雪音が気味悪そうな顔であたしを見てきている。



「変に謝られても気味悪いだけ。とゆうか忘れるなんて無理。」

「そんなあたし昨日変なことしたの!?」

「大分ね。悪いけど俺そろそろ仕事だから帰ってもらえる?これあげるから。」



徐に財布を取り出すとはい、と渡してきたのは一万円札。
それを見たあたしはなんとも言えない気持ちになる。



「お金なんてもらえるわけないじゃん!!」

「は?そこはもらっておくべきじゃん。もらえるもんは貰っておくのが後々助かるってもんでしょ。」

「そうゆう問題じゃないの!!!!こんなのいらない!!お金の貸し借りはご法度だよ!!!」

「あー…がみがみうるさいなぁ。朝弱いんだよ。そう騒がられるとイライラすんの。」



鋭い言葉にあたしは少し腰が引けた。
あまりにもイライラしてるからこっちが肩身が狭い。

でもこれだけは譲れなの。



ぐびっと、ビールを飲み干すようにココアを飲み干すと、「ごちそうさま!!」と大声をあげて雪音にいう。

そして次はあたしが財布からお金を取り出すとばんっと彼に授けた。



「もってけドロボー。それは昨日のお礼。」

「ちょ、」

「貰えるもんは貰うんでしょ?なら受け取りなさいな!!そんでお邪魔しました!!もう会うことは
ないかもしれないけど今度会ったときは絶対に雪音のこと忘れてないから!!!!」



一方的に雪音にそう言ってあたしはマンションから出ていく。