あたしはキスしている2人を無視して通りすぎて
店内の方へ歩いて行った。


「..環奈?..環奈!」

なに?今更呼び止めて。
彼女が居るなら居るって..言えば良かったじゃん。

だいたい..ホストだってわかってて
あんな甘い言葉に騙されようとして..
馬鹿だ..あたし..。


「おい環奈って!」

「もーなによ!」

あたしは思いっきり有翔を睨みつけた。

「..お前..泣いてんのか?」

「..関係ないから..あんたには..。
てか、彼女が居るなら居るって..言えば良かったじゃん..。笑
別にあたしとあんたは?付き合ってるわけでも友達ってわけでもない、..ただの知り合いだし..あたしには何の関係もないけどさ...。笑
いくらホストだからって..騙す相手、考えたら?
あたしなんかまだ未成年だし、お金もないんだから..騙したって、何のメリットもないんだし..。」


「おい..これは..!」

「言い訳とかどうでもいいからさ。..帰るから、あたし...。」

「待てって!」

「..うざい!.....話かけないで。」


あたしは有翔にそう言って店を出た。