「綾ーー待って!」


「綾ーーーまっててば!」


「なんだよ。朝からうるせぇー」

「だって綾、学校行くの早いんだもん」

「別に一緒に行かなくてもいいだろ」

「ダメ!私たち付き合ってるんだから一緒に行こうよ!」

「あーーめんどくせぇなぁー」
「ほら、手貸せ」

「えっ?」

「早く手出せって」
「お前危なっかしいから」

「うん」

綾はこうやっていつも最後には折れてくれる。なんだかんだ言って私に優しくしてくれる。

綾と居られるだけで幸せ。

「ふっ」

「お前何一人で笑ってんの」

「やー幸せだなーって思って」

「変なの」

いつもと変わらないたわいもないお喋りだった

でも、

この幸せが長くは続かないなんて思いもよらなかった………