「そのためには七倉の力が必要だ。お前が、俺の噂はデマだって一言口添えしてくれたら、出禁になったクラブにもまた顔が出せる。
ライブも、今よりもっと声がかかって、俺の名と実力を世に轟かせられる。
頼む、七倉!俺を助けてくれ!!」



しおらしいふりをしたルキの、強欲な本性が露になる。



低俗なルキの言葉に呆れる。



なんて自己中心的で、胸くそ悪い言い分なんだ。



元々こいつは、俺の曲を盗んだことを悪いとは欠片も思っていない。



ただ自分のために。自分の傲慢なエゴのためだけに、俺の前にやって来たんだ。



「あんたが俺の曲を盗んだことは噂じゃない。事実だ。
晋平さん、用事がそれだけなら、俺、帰ります」