「そもそもハル君は、あの当時から売れまくってて。テレビに出まくってたじゃないっすか。
しかも女にキャー、キャー、言われまくってて。
あんな世に出る可能性ゼロの曲を俺がパクっても、痛くも痒くもなかったっしょ?
俺だってイケてるラップで女にモテたかったんだよ」



無神経なルキの言葉は、俺の全身の血を逆流させた。



ざらついた言葉たちが、心の内側に眠る感情を沸騰させる。



「あんた、俺に謝りたいの?それとも喧嘩売りに来たの?」



自分でもゾクッとするような低い声でルキに問う。



するとルキは、俺が怒っている理由が分からないのだろう。



困ったように、目を彷徨わせていた。