「先生、ありがとうございました」



「いいよ、家まで送る。その子も乗って」



「でも…」
「俺も帰るとこだし。妹のとこ寄るために」


妹…




「じゃあ、お言葉に甘えて」







雄太くんと二人、後ろの席。





「おねーちゃん、このひとだれ」


「……私の学校の先生だよ」


「ふぅん。」



「栗原です」



「……」


先生には無視する雄太くんに、


思わず笑ってしまった。




「どうしておそかったの。」



「ごめん、ちょっと部活長引いて…」



「……ぼくのこときらいなの」



「そんなこと言ってないでしょ!」