それから、俺と楓朱はなんでも言い合える仲になった。

もちろん、俺には男友達もできた。


今は昼休み。
俺の男友達、鎌原威吐夢(カマバラツトム)と一緒に屋上にいる。

「なぁ紫苑~お前コンタクトにすればーぜってぇそっちのほうが似合うって」

いきなり何を言うかと思えばコンタクトの話かよ!

「いやコンタクトは金高いし…」

俺もコンタクトにしてぇよ!でもこえぇんだよ。なんてかっこ悪くて言えない。

情けねぇな。俺…笑

心の中で奮闘中。

「でもy「ちょっとお取り込み中失礼~」

いきなり楓朱が走ってきて俺と威吐夢の間に入り、話を遮る。

「ちょ…楓朱!今は俺が紫苑と話してんの!!」

威吐夢は言うけど楓朱は無視し俺に話しかける。こんな事中学校時代にはなかったな…。

「ねぇ!紫苑!今日の放課後、髪切りに私の家きなよ!」

楓朱の家は美容室らしい。しかも、結構腕がいいと噂で聞いたことがあるが。ほんとに美容室だったんだ。

「なんでいきなり!?俺別に髪長くないよ!?」

勢いに任せ楓朱に言う。

「紫苑さ、自分じゃ気づいてないと思うけど結構イケメンだよ?」

カァァァァァ///
一気に顔が熱くなる。

「え、紫苑!?どしたの?顔赤いよ!?」

赤いのお前のせいだっつーのぉ!うぅ…楓朱は天然なのか…?

「いや、大丈夫。大丈夫だけどイケメンとかほんとないから」

笑いながらごまかす。

「いや、カッコイーと思うぜ!紫苑!」
「ほら!威吐夢だって言ってるし!」

二人してなんなんだよ!恥ずかしくて死ねるわ!

「わかった、わかったから!!…行けばいいんでしょ。行けば!」

やけくそだ。これでイケメンにならなかったら楓朱のせいだ。まずイケメンになんてならなくていいもん!と拗ねる。


放課後、楓朱の家に行くことになっていた俺は楓朱の後ろを歩いている。

「ねぇほんとにきんなきゃいけないの?俺別にこのままの髪でいいんだけど…楓朱…さん?聞いてます?」

無視だ。無視されてる。もう!楓朱さんてば!きいてますかぁぁ!?

「ねぇ楓朱…?おい!!どーしたんだよ!楓朱!」

楓朱の元へ駆け寄る。