『あの…さ。紫苑…私、手術しなきゃ…』

は?何言ってんだよ。
なぁ嘘だろ…

「え、嘘だよ…な?」

『嘘じゃ…ないの…。もし、ここで…手術しないと…助かる確率が…ないって言われた…の』

おい、まじかよ…。

「で、でも!手術…すれば助かるんだよな?」

恐る恐る聞いてみるが、楓朱はなかなか答えようとしない。

『……――うん。』

間が長かったのは気になるが、ホッと胸をなでおろした。

「そっか…手術頑張れよ!そうだ、今日病院行くから。なんか食べたいのとか…ある?」

嫌だ。楓朱が手術しないと助からないなんて…。でもしなきゃ…。楓朱は……。

『うんん。なんにもいらない。紫苑が来てくれるなら。』

キュンッ
これ、恋してる証拠…だよな。
くそっ。こんな時キュンなんてしてんじゃねぇよ俺!

でもやっぱり嬉しい。


「ん。わかった!じゃ、また後で。」

『うん!』

--プツッ
--プープープー