君と出会ったのって去年の春だったよね。人見知りな俺に優しくこえかけてくれて、ほんと嬉しかったんだ。

~1年前~
「おはよー!」
「おはー!おーお前合格してたのか」
今日は入学式。みんなワイワイはしゃいでいる。そんななか俺はぼっち。クラス表を見て自分が何組なのか確認する。

あーぁ、俺も友達欲しいなぁ。なんて思いながら教室へ向かう。教室の中ではもう友達作りがはじまっている。

「よろしくねぇ~♪わたしぃキヨコっていうのぉ」
「私は美詠。よろしく」
女子は早い。行動早くね!?

まぁ俺は別に声なんかかけないけど。どーせ人見知りだし…。そんなことを思っていると突然
「ねぇねぇ!私、桜峰楓朱(サクラミネフウア)。よろしく!君の名前は?」
びっくりした。こんな俺に話しかけてくれるなんて。

「お、おお俺のな、名前は…鈴音紫苑(スズネシオン)です…。よ、よよょろしくぉ願ぃします…」
やっちゃった。やっちゃったよ俺!!こんなうじうじしててどーすんだよ!

すると楓朱はくすくすっと笑った。
「うん!よろしく紫苑!」
元気よく答えてくれた。
「ょろしく…!楓朱…さん!」
声結構大きかったよね!俺的に頑張ったよね!

−−ピーンポーンパーンポーン
連絡音が鳴り、放送が入る。

『−−ガガッ 皆さん!おはようございます。今日は待ちに待った入学式ですね!あ、申し遅れました。私はここ鷹誠高校(タカマサコウコウ)の生徒会長を努めさせて頂いております。南原ラン(ミナミバララン)と申します!さて、入学式の時間となりました。新入生のみなさんは体育館へ移動してください。それでは高校生活スタートです!』
−−ピーンポーンパーンポーン

ザワザワ…
「キャー!ラン様ぁ!」
「まじかよ!ここの生徒会長女!?」

辺りは騒がしくなっている。

チョンチョン−−−
後ろから肩をつんつんされる。
こんな事初めてだ!と感動しつつ、後ろを振り返る。

「紫苑、体育館行こっ」

無邪気に微笑む楓朱。
俺はこの時恋に落ちた。

今まで女と関わってきたことがないため【恋】というものがどんなのかわからなかった。

これが俺らの出会い。