8時55分。学校到着。

「ごめんね…本当に助かった!
ありがとう、イケメン君!
お礼は今度きちんとするから!!」

名前も知らないイケメン君に別れを告げ教室へと急いだ。

キーン…コーン…«ガラガラッ»

「おー!間に合った!ギリギリセーフ!!」

『ちょっと唯。入学早々に遅刻?』

苦笑いしながら話しかけてきたのは中学校からの親友の、笹山 胡桃 (ささやま くるみ)
肩まで伸びた綺麗な黒髪。
スラッとした脚に細い身体。
いつモデルになってもおかしくないような子だ。

「いやー、道に迷っちゃって…笑」

『え、あんたまた迷ったの?
何の為に学校に近いところに住んでるのよ…』

「すみません…。」

胡桃は見た目に似合わずサバサバした性格で話し方も全く女の子らしくない。
でも私のことを1番に理解してくれていて頼れる子だ。

『よく学校これたわね。 褒めてあげるわ。』

「あーそれはね……」

私は朝の経緯を胡桃に話した。