『消えてくれない…かな』


「えっ………………」


未来は、涙を流し始めた。

それでも私の口は止まらなかった。



『私、もう走れないの』


「リハビリすれば…」


『リハビリしたって無理!

歩けるようになるだけ、もう走れないの。

未来に会いたくない。

未来に会うと悲しくなる。

私は走れないのに、未来は走れる。

私の気持ちなんてわからないくせに、

わかったようなふりしないで!

関わらないで、近づかないで、

未来なんて……だいっきらいなの』



あ…言っちゃった。

違う…嫌いなのは未来じゃない……


「ごめんね……」


未来は病室から出ていった。