ーーーまりえsideーーー
あの二人がどうしても実杏に謝りたいと言う。
正直、実杏にケガをさせた二人を許せない。
会わせたくなんてなかった。
ばか正直で素直な実杏は………余計に傷つくと思ったから………………。
でも自分自身、実杏に会いたかったし、しょうがなく行った。
病室に入れば、輝きを失った実杏がいた。
いつも笑顔で『まりえ先輩』って
呼んでくれるのに………
こっちを見るなり、悲しそうだった。
何も言えずに、私は二人の事を言って廊下に出た。
すると実杏の叫ぶ声が聞こえた。
何と言っているかは聞こえなかったが……
(先輩方がいなければ、未来を傷つけなくてよかった)
というフレーズだけは聞こえた。
全て悟った。
最近未来が笑わなくなっていたのは
実杏と何かがあったんだ。
実杏はそれを後悔してるんだ…。
だからと言って、何かが出来るわけではない。
私はそのまま、帰ってしまった。