「好きなやついんの?」


まさかそんなことを聞かれるとは思わず、一瞬戸惑う。


しばらく迷ったうち、小さく一言言った。


「…いる。」


賢一はちょっと驚いたみたいで、耳たぶを触った。


耳たぶを触るのは驚いている時。


耳たぶを引っ張るのは照れてる時。


ほら、美月より私の方が賢一の事知ってる。