分かりにくい嘘だ。


本当に信じちゃいそうなくらい。


俊也は無表情で私を見下ろし、そのまま私の前の席に座った。


「おい里見。」


村瀬の声とともに頬になにか冷たいものがあたり、


「つめたっ!」


思わず声をあげて飛び起きた。