警備員は、連行される前に、コント作家と話した。


警備員「…結局、捕まっちまった…」

コント作家「それだけのことしたんだからな」

警備員「あんたに出会えて良かったと思ってるよ…だけど、俺の人生終わりだろ?」

コント作家「なんでそう思う」

警備員「まともに生きることすら、膨大に時間がかかる…バカみてぇだよ、ただの…」

コント作家「バカなもんか。生きるってそういうことなんだよ。気付かず、逃げ続けてるやつがほとんどなんだよ。真面目に歩み出そうとするならな、刑務所だって、関係ねぇ。人間はな、それに気付くか、気付かねぇかだ」

警備員「本当にあんたに会えて良かったよ…俺、頑張るよ」

コント作家「勝手にしてくれ」

警備員「なんだよ」

コント作家「コント執筆には、何の関係もねぇや」

警備員「フ…言ってくれるぜ」


そうして、警備員は連行された。


コント作家「さ…執筆再開すっか」

香織「コーヒー、冷めましたね…頼み直して来ましょうか?」

コント作家「お願いできる?悪いね」

香織「いつか支配してやんだから」

コント作家「え、なに?」


香織は、階段を降りていった。

コント作家の肩を叩く人間が居た。

振り返ると、先程、人質になっていた女性だった。