警備員「マジでか…」

コント作家「マジマジ。ホットコーヒーSも同じだわ。ん…Sで十分じゃない?」

警備員「…まあ」

コント作家「じゃあ、いいじゃん」

警備員「そうだけど…」

コント作家「なんだよ」

警備員「やっぱりあんたはモテて、俺はモテない…」

コント作家「それはさ、あんたはモテようとして、俺はコントを書こうとしてるからさ」

警備員「俺もコントを書こうとすればいいってことか?」

コント作家「いやそうじゃなくて、何か趣味に没頭してみろよ、ってこと」

警備員「趣味…」

コント作家「趣味とかあんの」

警備員「人に見せれるような趣味は…」

コント作家「趣味は自分の充実のためにするのであって、それが拡大して、初めて人を喜ばせるに至るんだから、最初っから、人に見せれるとか考えなくていいんだよ」

警備員「そうか…それだったら、写真を撮るのが好きだが…まあホントに趣味だが…」

コント作家「それ、少しずつでも撮ってさ、もしいいのが撮れたらサイトにアップしたりすりゃいいんだよ」

警備員「それが何になる。プロになれるっていうんか?」

コント作家「知らねぇよ。少なくとも、人が生きるっていうことの端っこには触れてるんじゃねぇか」

警備員「人が生きるってことの端っこには触れてる…」


警備員は、女性を羽交い締めにしてる腕を弛めた。

女性は、一目散にその場を離れ、近くに居た店員により、介抱された。女性は、強ばっていた表情を崩し、その身を店員に委ねた。

警備員は、外に居た警官らにより、取り押さえられた。