「なんか大に用事あったの?」


ぐいっと小野君の肩に腕を回して、彼がそう言った。


「え」
「は」


それに驚いた声を出したのは私だけじゃない。
隣にいた小野君もだ。


同時に声を出した私と小野君はばっちし目が合ってしまった。
すぐにパッと逸らす。


ヤバイ、また緊張して来た。
小野君が目の前にいる。


「いきなり何言ってんだよ。歩」

「だって、大に話しかけようとしてたよ?」