あたしは、手をギュッと握り締める。


…すると。


「もうっ…。なんで言ってくれなかったの…?」


返ってきたのは、予想もしていなかった言葉だった。


「…えっ。どうして…?なんで怒らないのっ…?」

「なんで怒るのよ。奈々の想い…、とっくに気づいてたんだからっ」


優花の優しすぎる微笑みと言葉に、あたしは思わず涙が溢れた。


「なんで泣くのーっ」