もう…手の届く範囲にあるのにっ…。


…すると。


「それ書いたのって……奈々…?」


あたしたちの他に…だれもいない静かな教室に、優花の小さな声が響く。


優花の言葉に、あたしはその場で固まってしまった。


「…え?それって…?」


わざとらしい反応かもしれない。

でも、もし違ったら…なんて、そんな淡い希望を抱いてしまった。


「その…黒板に書かれた名前……」