「じゃ…じゃああたしは、せっかく早くきたんだし、黒板の掃除をするね」


そう言って、自然を装って黒板に向かい、並んで置かれている黒板消しの1つを手に取った。


ただあれを…消せばいい。

ただ…それだけのこと。


「奈々」


急に優花に呼ばれた。


「な…なにっ?」


なんで、こんなときにっ…。

あたしは、一刻も早く消さないといけないのに…。


焦る気持ち。