「…なにこれ?」


教室に着くと、あたしは黒板にあるものを見つけた。


黒板の端にだれかの名前が書いてあって、その名前を赤いチョークで囲んである。


「だれよ、黒板なんかに落書きしてー」


あたしは文句を言いながら、黒板消しを手に取った。

その手を、エミが止めた。


「ちょっと待った…!」


エミはそう言って、黒板に落書きされている名前をまじまじと見つめる。