「でも、本当に奈々のお陰だよ。奈々がなにか、晃くんに言ってくれたんでしょ?…じゃなきゃ、私きっとフラれてたもんっ」


優花はあたしを抱き締めて、耳元でそっと囁く。


「あたしはなにもっ…」


…そう。
あたしは、なにも言っていない。


むしろ、「好きにすれば?」と言い放ったんだから。


考えて、答えを出したのは晃。

あたしはなに一つ、優花の役には立っていない…。