優花はあたしに手招きをする。


「あれ、瀬川先輩じゃない?」

「あっ、ほんとだ」


屋上からは、朝練をするサッカー部の姿も見えた。


3年生から引退してから、サッカー部をまとめている部長の瀬川先輩。

その姿は、かっこよく見えるはずなのに…。


今、あたしが目で追ってしまうのは、晃だった。


すると、優花は静かに言った。


「…私、晃くんと付き合うことになったのっ」