そう言って、晃は深くニット帽を被った。


この、なにも考えてなさそうな晃が、実はいろいろと考えてくれていたみたい。


「…で、どうしたの?」

「ちょっと奈々に話したいことがあって…」

「あたしに話したいこと?」

「うん。ついてきて」



晃に連れてこられたのは、家の近くの公園。

小さい頃、よく晃と遊んだ公園だ。


あたしたちは、ブランコに座る。