「凛花ちゃん、俺さ……大智や友理よりは、人のことを見てきたつもり」
その言葉は、いつものチャラい純也さんではなく、落ち着いた口調で
優しい眼差しだった
「初めて凛花ちゃんを見たときから思っていたんだ、何かあるって」
純也さんの言葉に私の手は止まった
「大智は何も言ってこない、だからこれはあくまでも俺の考え……凛花ちゃん、大智に言えない程、困ってるんじゃない?」
篠原さんのこと…じゃないのはわかる
だって、私がストーカー被害にあっていることを、大智さんの友達は知っている
だから……違うことだ
違うこと……
私が大智さんに言えないこと……
それは松川さんのことだ
どうして、今なんだ……
今まで言おうとしたら、いつでも言えたのに、なんで今日なの?
タイミングが悪すぎる…
昨日の夜
大智さんと買い物をして帰るとき
買いたい雑誌があったから、本屋に行った
偶然だと思う……
松川さんに会ってしまった
松川さんは私の元へ来ようとしたが
大智さんに話しかけられた私は
松川さんの前から逃げた
その日のうちに、松川さんからメールや着信が来ていた