やっぱり細川さん、好きだな……
痛そうな顔して私の顔を見る細川さんが
とても可愛く見える



『酷い?』


そう聞くと、無言で頷く
マジか……自分でみる勇気はない

湿布を貼り終わると外崎さんが応接室に顔を出した


どうやら、台風は去ったようだ…


就業時間まで、あと1時間半
今日はなんとかできるだろう、と
私は席に戻り、さっきまでやっていた車検の書類をまた確認し始めた


結局、就業時間になっても
大智さんは戻らず
事務所には大智さんから
「先に帰ってて」と連絡があった


運悪く私は電話に出れなかった
今日の晩ご飯は食べるんだろうか……


……それより、なにより
私は今日、どうやって帰ればいいんだ?
いつも大智さんと一緒だから車1台
けど、今日はそうもいかない


バスで帰ろうか?と、考えていたら
細川さんが「大智さんに頼まれた」と
私をアパートまで送ってくれた

それだけじゃない、心配してだろうか
細川さんと大智さんのアパートで鍋を囲うことになった