誰なんだろうか……
触られると、気持ちいい
また触って欲しいと思う
全身が守られているように暖かい
今までにない感情
「逃したくない」
この温かさ、居心地の良さ
失いたくない
「……か、凛花?……凛花っ?」
誰かに呼ばれ、目を開ける私
開いた目に入ってきたのは
安堵している大智さんの顔だった
……なぜ?
なぜ大智さんがいるのか、わからない
考えようとすれば、若干の頭痛
『……っ……』
頭痛で顔を歪めると
大智さんは心配そうに私の顔を覗き込む
「大丈夫?」
『……私は…』
一体、なぜ大智さんがいるのか
ここが何処なのかを聞こうとした
頭に嫌な光景が思い出された
私……、篠原さんに……
けど、目の前に大智さんがいるっ
頭が混乱していて、うまくまとまらない
その上、頭痛も治まらない状態
「大丈夫、大丈夫だから……ゆっくり呼吸して……大丈夫、俺がいるから」
そう言って大智さんは私を抱きしめてくれ背中をさすってくれた