『やっ……』
抵抗しても……やはり男には勝てない
イラっとした顔をしている篠原さんは
私の口を何かで覆った
それを吸い込んだ瞬間、
意識が薄れていった
凛花っ、
そう聞こえた気がした
……大智さん
大智さんの声がしたんだ
私が次に目を覚ました時には
オフホワイトの天井が目に入った
……どこ?
……っ、頭が痛いっ…
何故、頭が痛いのか
ここが何処で
なぜ私がいるのかも……わからない
朦朧とした中、誰かが部屋に入ってきた
「まだ休んでなっ」
そう言って、私の頭を撫でてくれる
その手は温かく、優しい声
何よりも居心地がいい
頬に触れた手、
「おやすみ」
そう言って、唇に何かが触れた
多分…唇
誰なのかもわからない人にキスをされる
それがとても柔らかく
触れた瞬間、身体中に何かが走った
また触れたい……
そう思ったら勝手に手が動いていた
頬に触れた手を私は自分の手で覆った