「じゃ、19時に」
『はい、また後で』
そう言って私は車で一度自宅へ帰った
アパートに戻り着替え
再度化粧をし、出掛ける準備をしていた
その時、私のスマホが鳴った
画面を見れば知らない番号
……知らない番号なら出ない
放って置いといたら、切れた
私は鞄を持ち、最後にまた鏡を見てチェックをし、玄関を出た
今日は飲むから、大きな通りに出てタクシーでも拾おうっと考えながら歩き出した
「ここに住んで居たんだ」
その声に私の身体はビクッとした
久しぶりに聞いた声
ゆっくり振り向くと、篠原さんがいた
「どこか行くの?珍しいね」
その言葉に鳥肌がたった
珍しい……
そう、私が外出するのは久しぶり
けど何故それを篠原さんが知っているか、
『……なぜ、ここに?』
そう発した言葉が震えている気がした
「んー、凛花ちゃんに会いたくてかな?」
優しい口調で言っている篠原さんの目は
とても冷たくて怖い
『……ご、ごめん、なさい……、用があって、行かなくちゃ』
そう言って篠原さんとの距離を取った