私が事務所から出た後
大智さんは滅多に取り乱さない細川さんに詰め寄ったらしい
細川さんも心配してくれていて
大智さんに私が篠原さんにされている
ストーカー紛いの事を話したそうで
血相変えて、私のもとへ飛んできた、という
「いい?今度から、何かあれば俺にもちゃんと伝えて、部下に何かあればコッチだって動かなきゃならないんだ。凛さんが篠原さんを受け入れるならいいんだよ?……違うでしょ?」
滅多に怒ったりしない大智さん
私はただ、頷くしかできない
やっぱり……部下なんだ
なら、なんで抱きしめてキスなんか……
頭だけどさっ
嘘でも、自分のだとか言ってほしくない
「聞いてるの?もし篠原さんが来たら凛さんは行かなくていい、俺がいなければ川田さんを呼んでいいからね」
『……はい、すみませんでした』
そういうのがやっとだ
何を凹んでいるのか、
何がショックなのか……
全く自分でわかっていない
そんな気持ちのまま残りの仕事を終えた
細川さんも外崎さんも心配してくれて
それが逆に申し訳なく思ってしまった