「あれ? 綾音。 頬が……。 少し赤くない?」 放課後、あたしの席に月星が来た。 「なんかあった?」 低くキレイな声で聞きながら、あたしの頬にそっと触れる。 月星、目ざとい。 赤いのは、さっき女子にぶたれたからなんだけど……。 心配をかけないために、首を横に少し振った。 「……な、なにもっ」