「羽海、近い~」



羽海のほっぺに手をあて、軽く押す。



「……っとに、ふたりとも~。
あたしに合わせて学校決めるとか、そんなのおかしすぎるよ~」



「……そ?」



「そう?」



ふたりが顔を見合わせる。



「それに。
受験のとき、いなかったよね?
羽海も月星も」



廊下を歩きながら、うらみがまく、ボソッとつぶやく。