せっかく……。



『あの……。
もし……よかったら……。
名前……教えて……もらえますか?』



……って、ちょっと照れながら、あたしの名前を聞いてくれたのに。



言うひまもなく、ふたりに邪魔された。



入学式で名前を聞かれるとか……。



超超超! 憧れのシチュエーションだったのに~。



もぉ。



バカバカバカ――ッ!!



右と左、交互に見上げながら、心の中で文句を言う。