「えっ。
羽海……。
痛いっ……」



ものすごく強い力で腕をつかまれて、あたしは痛さに顔を歪めた。



「あ、ごめんっ」



驚いたように目を見開いて、羽海はあたしの腕をすぐに離した。



「き、急に触られそうになって、びっくりして……」



そう言いながら、耳のあたりの髪を、羽海は撫でた。



それから、あたしに向き合って頭を下げる。



「ごめん、あーや。
痛かったよね。
ほんと、ごめんっ」