「おーい。 あーやっ」 月星の家を出たところで、ボーッと立ちつくすあたしの顔の前、羽海がひらひら手を振った。 「やっぱり、おかしい。 なんかあったなら、力になるよ。 どーんと、俺に話してみ?」 ニコッと明るく華やかに笑って、羽海はペシッと自分の胸を叩いた。 「そうだ。 ウチによってきなよ。 月星に内緒で、話を聞くよ~」 羽海は、指先に引っかけたカギをくるくるまわした。 「あーやには。 けっこうお世話になったから~」