“あーやを……。
他の男にとられたくないな。
それも、特に……。
月星には、絶対。”



そんなことを考えて、ギュッと痛いほど唇をかみしめた、みっともない顔なんて、見せられるわけがない。



嫉妬とか……。



超カッコわりぃー。



強く激しくそう思うのに……。



体は、ものすごく正直だった。



悔しさで、無意識にこぶしを固めて、廊下の壁をぶっ叩いていたから。



俺にできることは、ねーのかよ。



そんなことを、痛いほど考えながら。