羽海同様、同じ制服がバッチリ目に映っちゃってるけど、もちろん、そんなの、見ないフリをするに決まってる。



「ほーんと、ふたりとも優しいよね~。
ひとり娘の高校の入学式よりも、自分のお仕事優先しちゃうパパやママの代わりに、来てくれるなんて~」



ふたりが同じ高校だなんて認めたくなくて、あたしはお礼を口早に言って、走り出した。



「羽海も月星もありがとっ。
保護者席から、あたしのこと、見守っててね。
じゃっ!」



でも……。



「綾音、カバンいらねーの?」



月星のクールな声と、