真夜中くんはその後、私の肩で少し眠った。

私は本を目の前で開いてはいたのだけど、隣が気になってちっともページをめくれなかった。


時刻は、夜11時55分。


「真夜中くん、真夜中くん、もう遅くなったから帰らない?」

「んー……」


真夜中くんは、眉を寄せて嫌そうな表情をする。

目は開かない。


「布団で寝た方がいいよ、真夜中くん」

「……」


うめき声すら返してくれない。

聞こえてない……?


「……、……レイジくん……?」

「うん」

「!!」