城は跡形もなくなった。

草原にいるあたしたち。

バシ。

あたしの腕を大貴がつかむ。

大貴「助けてくれてありがと。ホントの名前なんていうの?」

あたし「………。」

大貴「知ってるんだぜ。羽丘。だろ?」

あたし「どう…………して?」

大貴「好きな奴くらいわかるって。って言っても、付き合ってから、わかったんだけどな。まさか、怪盗マーガレットだったなんて。俺、好きな奴に、好きな奴の相談してたのか。なさけねー。」

あたし「ゆるして………くれるの?」

大貴「あぁ。許すよ。何も悪いことしてねーじゃん。持ち主に返してるだけで。」

あたし「あり………が………と。」

涙が出て、止まらないあたしを慰める大貴。

大貴「帰ろーぜ。」

頷くあたし。

町並みに、あたしたちは消えていく。