「だだだだ……大丈夫です。ほらこの通り歩けます。走れます。飛べます。」
いや……飛べはしないけどね。
「アハハ。相当嫌われてんなー!一ノ瀬。」
すると黒沢くんは、一の瀬に向かってからかうように言った。案外、意地悪かも。しかも予想通り、一ノ
瀬は、鋭くとがった目つきで再び私を睨んで言った。
「……っ!もぅいい!送る!そしてこの俺の良さをわからせる!」
トマトみたいに真っ赤にして言った一ノ瀬は結構可愛くて、つい笑ってしまった。でも同時にあ……。なる
しすと〜。とも思ったんだ。まぁそれでも嫌だったから私は、
「大丈夫大丈夫。気にせず練習を続けてください。」
というと、さらに真っ赤にして大声で言ってきた。
「……っ!お前そんなにこの俺が嫌いなのか!?ちっくしょう!何がなんでも送るからな!」
もうここまでいくと、一ノ瀬のプライドが許さないみたい。迷惑だわ。..…………。
━━━━━━━━━━━━━━と。その時だった。