そして湊がお弁当を食べた。


「どう?」


「ん、うまい。」


「そ、よかった。」


ひと安心。


「湊~唐揚げちょうだい!」


哉斗みたいな人が

湊のお弁当から唐揚げを取って食べた。


「おい!……ったく。」


「うま!なにこれ!」


「あ、ありがと。

湊、私のあげる。」


「さんきゅ。」


どうせこんなに食べられないしね。


「由茉ちゃんって料理上手なんだね!」


言い方が哉斗そっくりで笑ってしまった。




「え、俺なんか変なこと言った!?」


どうしよう、どこまでも似てて笑っちゃう。


「ご、ごめ……なんでもないよ。

あはは、すごいね、湊。」


「だろ。あいつらいたら更にうるさくなる。」


確かに。でも本当に面白い。


「ねぇ、由茉ちゃん。

これ全部手作り?」


哉斗にそっくりな人が聞いてきた。


「うん、そうだよ。」


「へー、すごいね!」


はは、やっぱ哉斗そっくり。


なんか私でもすぐに話せた。





「由茉、帰ろ。」


「え?でも…。」


「サボる。帰ろ。」


「うん。」


私たちはみんなと別れて帰ることにした。


「なんかすごいね、びっくりした。」


「だろ?だから絶対会わせたかった。」


「すごく楽しかった。ありがと。」


「どーいたしまして。」


なんだろう、知らない世界だったから

私は不安だったんだけと……

入ってみちゃえばやっぱり安心する。

湊は今この中で過ごしてるんだって。

あんなに不安だったのにね。

今では全然平気だ。前に戻った気分。


「ね、またみんなに会いたい。」


「おう、また一緒に食べよ。」


よかった。


すごい楽しみ。



すれ違い E N D




「おはよ、由茉。」


「おはよ、湊。」





私たちはあれから大きな喧嘩もなく

仲良く毎日をすごし、大学を卒業した。



湊は卒業して橘グループで働き、

毎日忙しく働いている。


私は湊と慎一さんの強い希望で

職にはつかずに専業主婦として

毎日主婦業を全うしてきた。







そして月日がたち、婚約指輪のために

慎一さんから借りていたお金も返済し

私たちは25歳、ついに籍を入れた。



籍を入れて1か月

私たちは今日式を挙げる。


結婚式を挙げるのは

最近の私の夢だった。

だからウェディングプランナーさんと

何ヵ月も前から必死に考えてきた。


ドレスも何着も試着し、決めた。





ただ、実は公式な式はすでに挙げた。

あくまで橘グループとしての。



そして今日は完全プライベートの式だ。


そう、懐かしい仲間たちがみんな集まるのだ。



私にとって、それが一番の楽しみ。





「準備が整いました。」






ガチャリ



「由茉…綺麗だ。」



「一輝、晴輝。

ありがとう。」



晴輝は2年前、付き合っていた彼女と結婚し

一輝も去年、結婚をした。



「由茉。おめでとう。」



「お父さん、お母さん。

ありがとう。」



こうして家族が揃うのは

一輝の結婚式いらいかな。






お父さんの会社の経営も順調で

一輝と晴輝はお父さんの都内にある社で

跡取りとして働いている。


どちらが取るかはまだ決まっていないけど

二人はなかなかの名コンビみたい。





「そろそろお時間です。」



そう言ったのは片桐さん。



「じゃ、俺たちは向こうで待ってるから。

父さん、あとは頼んだよ。」



そして私とお父さんは

入り口へと向かった。