そして答え合わせ。


「えっとー、哉斗は全部正解ね。


爽はここ違う。


愛奈ちゃんは………ここと、ここ以外全部違う…。」


へー、愛奈ちゃんは英語ができないのか。


「由茉ちゃんはすごいね!

さすが外国語学部だね!」


あ、話変えた。


「由茉はずっとアメリカにいたからな、

英語はぺらぺらなんだよ。」


と爽が説明をする。




「で、由茉、ここなんで違うの。」


爽が由茉ちゃんに教わり出した。


なんだよー、俺も間違えば聞けたじゃん。

待ち時間暇じゃん。


結局俺は何も言えずに時間が過ぎてった。


「さて、そろそろ帰るか。

湊怒るし。」


爽がそう言い出して俺らは解散。


「じゃーね、みんな。

また明日ね!」


由茉ちゃんに見送られ、俺らはエレベーターに乗った。





「はー、飯食えたけどあんま話せなかったなー。

湊から殺気がばんばん伝わってきたし。」


俺が嘆いていると


「だから由茉は諦めろって。」


「他の女と関わる気にすらなれない。

全員由茉ちゃんと比べちゃうし。

あんなできる子は他にはいない。

欠点なんて数学くらいだし。」


「言っとくけど、由茉は哉斗の気持ち

ちゃんと気づいてるんだからな。

で、たまに困ってるときがある。

あんま困らせんなよ。」


まじかよ………。

気づいてるとは思わなかったな…。

困らせてるのかー………


「諦める気はあっても避けたくないし

結局いい女現れるの待つしかない。」


俺にも出来んのかな、彼女って。



はぁ………



哉斗の片想い E N D


「由茉、今日学校のやつらと飲みいってくるから

帰り遅くなる。」


「わかったー。」


………最近こればっかり。


二十歳を過ぎてから一気に増えたお酒の席。


私はいつも湊より先に帰ってるのにな…。


湊は私より今の友達の方が楽しいのかな。


………はぁ。




私たちは今月から3年生。


もうすぐ湊も21歳です。



「由茉、おはよ。

元気ないね。」


「あ、爽おはよ。

最近湊が大学の友達ばっかりで

つまんないだけ。」


「ふーん、ヤキモチ?」


「さぁ、わかんない。

じゃーね、今から講義だし。」


私は爽と別れて教室へ向かった。


「あれ、なんで颯までいるの?」


美月のとなりに颯もいた。


「颯休講になって暇なんだって。」


「ふーん…。」


それで彼女のとこか。


「いいね、二人はらぶらぶで。」


うらやましいよ。


「ねぇ、二人って喧嘩とかするの?」


私は美月のとなりに座り、聞いてみた。




「けんかー?小さいのはよくするよ。

ご飯なにするか揉めたり。

うちに来てながら颯スマホばっかりいじってたり。

大きいのはないかな?

颯が折れてくれる。」


「ほんとくだらなさすぎて

けんかすんのバカバカしくなるからな。」


「ふーん…そっかぁ。」


「由茉と湊もほとんどしねーだろ。」


「まあそうだけど。

ケンカするほど関わってすらない。」


「は?一緒に住んでんじゃん。」


「それだけだよ。

一緒にご飯食べて、一緒に寝るだけ。

湊最近仕事の手伝いも増えてきたし

暇があれば大学の友達と遊びいくから

私のために時間作るなんて全くないよ。

だから美月がうらやましいよ。

休講になったからって隣に来る彼氏がいて。」


同じ大学だったら………少しは違ったのかな。




昼休みー


「よ、由茉。一人かよ。」


「爽、愛奈ちゃん…。

うん、美月は颯と。」


「颯から聞いた。

湊とあんま会話ないの?」


「連絡事項だけって感じ。

弁当要らないとか帰り遅いとか。

最近は時間も合わなくておはようとかもないかな。

もうこれじゃ柳さんと一緒だよ。」


「今日は?湊なにしてんの?」


「今日は大学の友達と飲みに行くってさ。」


「じゃあ由茉もいけば?

いきなり大学いっちゃえばいいじゃん。」


「なんできたのって言われるよ、絶対。」


「そう?由茉、おいで。とか言いそうだけど。」


「あー、最近そのフレーズ聞かなくなったね。」


「明後日湊誕生日じゃん。

一緒に祝いなよ。誕生日くらい。」


「………うん。」


誕生日かぁ…。





「そういえば最初の誕生日は

爽にプレゼント選び手伝ってもらったんだよね。」


「はは、そうだな、懐かしい。」


「そういえば…ピアス、まだある?」


なくしたとかショックだけど。


「まだつけてる。ほら。」


そういって耳を見せてくれた。


耳についてるピアスたちのなかに

私のあげたピアスもついていた。


「ほんとだ、よかった。

捨てられてたら悲しかったよ。」


「俺のことどんだけひどいやつだと思ってんの。」


「はは、ごめんね。

爽は優しいもんね。

………なんか久しぶりにアールグレイ飲みたい。

爽の入れてくれるやつ。

たまにね、あの幹部室に戻りたくなる。

あの頃は毎日みんな一緒だったのに。」


湊も………。


「なんてね。

じゃあ私これから先生のとこ行かなきゃだから

もういくね。バイバイ。」


☆゜+.☆゜+.☆゜+.☆゜+.☆゜+.☆゜+.☆

爽side


逃げたな。

わかりやすすぎ。


「幹部室か…」


確かに懐かしいな。

あの頃はなんでも楽しめたよな。

純と哉斗がわいわいして。

純なんてすっかり落ち着いたしな。

哉斗は相変わらずだし。

下では和真たちが騒いでて

秀が呆れてて………

俺ももう一回戻りたいかも。