「うわ、スッゲー混んでるな……」
ワラワラと人が群がる購買を前にして、俺は他人事のように呟く。

「何でみんな弁当持ってこーへんのやろ?」
と、盛大なブーメランを投げる聖を横目に、いざ戦場へと向かう俺。

「おばちゃーん。これと、オレンジジュースちょーだい」
購買の人を「おばちゃん」と呼ぶのはもはや暗黙の了解である。



何とか食料を確保し、定位置とも言える渡り廊下の階段に腰を下ろす俺と聖。

ビリッとパンの袋を破る。
そして頬張る。
パンっていくら食べても食べた気しないよなー、なんてくだらない会話をしながら。