いつもの道。駅から学校までの、歩きなれた道を猛ダッシュ。

聖なる日の街並みはいつになく浮き足立って、きらめく電飾に甘いにおいに制服の男女だって幸せそうにちらほら。


その横を駆け抜ける。


息をすうと冷たい空気が喉の奥をツンとさせて、だけど胸はすごく熱い。

それは走ってるからで。他に理由なんてなくて。断じて。うそ。




『学校来れば?みんないる。ヒマでしょどうせ』




メッセージを、受信したから。

ヒマじゃないですけど。勉強でしょ、今日だってみんな。18歳のクリスマスなんてね、ただの平日だって知ってたよ。

他ならぬ、来年の春のため。自分のため。

爆発しそうなくらいいま戦ってるのは未来のため。なのに。



図書館の机でひっそり黙っていたスマートフォンがそれを報せた。すぐさま勉強道具をリュックにつめて電車に飛び乗ったわたしは、きっと混乱してたんだ。


今日は未来のために勉強しなくていいんですか。

そんなことあり得るんですか。