想いを残した距離に

夏休みが終わった。
今日、8月31日から2学期。
もうすぐ9月だというのにまだまだ夏の気温。


「あ、大河」


私が歩き始めてすぐ、目立つ金髪が私の目に見えてきた。


「渚じゃん。おはよ」


大河は私の言葉に足を止め、私に顔を向けた。私はそんな大河の元へ小走りで向かって行った。


「おはよう!今日も寝癖ついてるよ」


私が大河の隣に立つとまた、大河は歩き始めた。


「ん?まぁ、気にすんなよ。てか、朝会うのって久々だな」


「だって大河起きるの遅いんだもん」


大河の家は私の家の隣の隣の隣。
まあ、大河は起きるのがすごく遅くて朝一緒に会うことなんてほとんどないんだけど。


「2学期からは違うし…」


「そっか。なんなら起こしてあげてもいいんだよ?」


「どうやって…?」


「電話とか?」


「渚、メアドとか教えねーじゃん」


あ、そうだった。
教えると毎日メールが来そうであんまりメアド教える気にもならなかったんだけど。